戸袋ソフトクローズ引き戸なのに施工後の手直しが簡単なFDシリーズ。進化した引込機構で軽く静かに開閉でき、使いやすさもアップ。
高級感があり人気の戸袋仕様ですが、これまでは戸尻側もソフトクローズ(ゆっくり静かに閉まる機能)にすると、施工後に手直しする時のために戸袋を取り外せるようにしたりクロスの貼り方を工夫したりと設計者様や建具工事業者様での事前の打ち合わせが必要でした。
そんなお手間も上吊式引戸FDシリーズの戸袋対応製品を使用することで、戸袋を取り外さず簡単にソフトクローズ引戸を手直しできるようになりました。施主様の求める住空間の高級感を叶えつつ、施工側のメンテナンス面もカバーした事例をご紹介します。
メンテナンスの手間を分割レールと長いトリガーで解決
従来の戸袋ソフトクローズ引戸はトリガーを戸袋の中に取り付けるため、戸尻側のソフトクローズを施工後に手直し(トリガーの位置を変更)する時は、戸袋を壊したり取り外したりしなければなりませんでした。
一方、上吊式引戸FDシリーズの戸袋対応製品は、施工後も戸袋を外したり壊したりせずにソフトクローズの手直しができます。(特許取得)
イラストのように、開口側と戸袋側の2つに分割した上レールと長い戸尻用トリガーで構成されていて、施工後でも扉と開口側上レールを取り外して戸袋用トリガーを取り出すことで手直しができます。
詳細な手順はスガツネットで公開している施工説明書や取付動画でもご覧いただけます。
これまでの戸袋仕様は上記の理由から戸尻側のソフトクローズ機能を無しとしていたお客様でしたが、メンテナンス性の良さから採用をいただきました。また「これまでは施工後の調整ができないので、戸袋ソフトクローズ引戸の施工は絶対に失敗できないというプレッシャーがあったがFDシリーズの戸袋対応製品はそれがない」という嬉しいコメントもいただきました。
なおレールが分割になると「連結部分(境目)をローラーが走行する際に音が発生したりガタついたりするのでは?」との声もいただきますが、長い戸袋用トリガーが2本の上レールを連結する役割も果たすため気になる走行音も軽減できます。
「扉がゆっくり静かに閉まる」にさらなる付加価値を。「開く」時も軽くなり、使いやすさもアップ。
今や一般的になりつつあるソフトクローズ引戸は、ゆっくり閉まる動きの高級感と扉が枠に当たるドンッという音がしない静音性で施主様に人気の仕様です。今回はそれらに加えて「軽く開けられる」点も採用のポイントになりました。
ソフトクローズ引戸は、引込機構が備わっているため開ける時はその引き込み以上の力で開ける必要がありました。今回ご採用いただいたFD30EXと施設・ホテルなどの非住宅でも使用できるFD35EVは、引込機構の改良により軽く開けることができます。施主様には小さなお子様がいらっしゃったので、暮らしやすい住宅への+αの提案ができたと喜んでいただきました。
人手不足の現場にも嬉しい、トリガーを扉吊り込みと同時にできる施工方法。
従来の戸袋引戸の施工は、下記のように大きく分けて3つの工程があり、扉1枚の施工に建具工事業者様のスケジュールを2回抑える必要がありました。
- 工程1:建具工事業者様による上レールとトリガーの取付
- 工程2:工務店様による枠と戸袋用の壁の造作
- 工程3:建具工事業者様による扉の吊り込み
一方FDシリーズの戸袋対応製品の施工は、トリガーを戸袋用の壁の造作後に取り付けることで工程を2つにまとめることができます。
- 工程1:工務店様による戸袋側上レールの取付と戸袋用の壁の造作
- 工程2:建具工事業者様によるトリガーと開口側上レールの取付・扉の吊り込み
これにより業者様間での日程調整の回数を減らすことができ、人手不足の現場でも従来の戸袋引戸より滞りなく施工を進めることができます。
課題のポイント
- 施工後は戸袋を壊したり取り外したりしないと、戸尻側(開き方向)ソフトクローズの手直しができない。
解決のポイント
- 施工後も分割上レールと長い戸尻用トリガーによって戸袋を壊さず手直しできる。
- ゆっくり静かに閉まるだけでなく軽く開けられるため、家族全員が暮らしやすい住宅にできた。
- トリガーを戸袋壁造作の後に取り付けることで業者様間での日程調整の回数を減らせた。